これを読めば鹿せんべいのすべてがわかる!
鹿せんべいの由来から鹿への正しいあげ方まで、鹿せんべいの疑問はここを読めばすべて解決します!
Contents
鹿せんべいとは
鹿せんべいは、奈良公園周辺で販売されている野生の鹿用のおやつです。
鹿せんべいの原料は?
草食動物である鹿のために、鹿せんべいは植物性の原料のみから出来ています。
材料は米ぬかと小麦粉の2つだけ。
人間用のせんべいだったら塩やしょうゆで味付けをしますが、鹿の健康を考えて味はまったく付いていません。
鹿せんべいの販売元は?
「鹿せんべい」は奈良の鹿愛護会の登録商標であり、鹿せんべいの売り上げは奈良の鹿愛護会の活動資金に充てられます。
ただし、奈良の鹿愛護会が直接鹿せんべいを焼いているわけではなく、愛護会は鹿せんべい製造業者(5社)に対して証紙を売り、製造業者はこの鹿マークの証紙で鹿せんべいを巻いて製造。実際に奈良公園で販売しているのは、奈良公園行商組合という組合に加盟している行商人たちです。
この奈良の鹿愛護会の証紙が付いていない鹿せんべいがまれに売られていることもありますが、非公式のものですので買わないようにしましょう。
また、この証紙は100%パルプに大豆インクで印刷されており、鹿が食べてしまっても鹿の健康に害が出ないように作られています。
鹿せんべいのお値段は?
奈良の鹿愛護会の証紙付きのオフィシャル鹿せんべいの値段は、どの売店で買っても150円です。
ちなみに1束は10枚入りです。
鹿せんべいはどこで買える?
鹿せんべいを売っている場所
鹿せんべいは、奈良公園や春日大社の参道など至る所で買えます。
移動式の屋台のような露店も、天気が良ければ沢山出ています。
また、雨で露店が出ていない時は、普通のおみやげ屋さんの中でも鹿せんべいを売っています。
鹿せんべいは何時から何時まで買える?
道端に出ている露店は季節や天候により営業時間が変わりますが、だいたい
9時~10時開店
16時~17時閉店
のところが多いです。
朝は10時を過ぎれば土産物屋がオープンするので確実に鹿せんべいが買えます。
正しい鹿せんべいのあげ方
鹿のお辞儀の秘密
上の動画のように、奈良公園の鹿は鹿せんべいを持った人間を見ると「お辞儀」のような仕草をします。
人間の側から見ると、まるで鹿が「せんべいをください」とお辞儀をしているように見えて可愛いですね。
しかしこれは間違いで、鹿の側から見ると「おい人間、早く鹿せんべいをよこせ!」と威嚇しているのです。
あまりじらすと鹿も怒りますので、鹿せんべいはじらさず、素早く鹿にあげるようにしましょう。
あげ方を間違えるとケガをすることも!
ここ数年、奈良公園で鹿にせんべいをあげる際に観光客が怪我をするケースが増えています。
ほとんどが、鹿せんべいをなかなかあげずにじらした結果、鹿が怒って
- 服やカバンを噛む
- 頭突きする
- 前足で蹴ってくる
などでケガをしたパターンです。
鹿は草食動物でおとなしいイメージがあるかもしれませんが、怒らせると怖いです。
体重100kg前後の個体が体当たりをしてきたら、子供はもちろん大人でも飛ばされてしまいます。
奈良の鹿は野生動物であるということを忘れないでください。
「もう鹿せんべい持ってないよ」のハンドサイン
もう鹿せんべいをすべてあげてしまったのに、まだ鹿に追いかけられて困ることがあると思います。
そんな時は上の写真のように体の前で両手をパーにして鹿に見せてあげてください。
もう鹿せんべいを持っていないんだな、ということを鹿が理解して、追いかけるのをやめてくれますよ。
人間が鹿せんべいを食べるとどうなるの?
鹿せんべいは野生の鹿のために焼かれたもので、人間が食べることを想定して作られていません。
人間の食べ物としては管理されていないため、鹿せんべい工場から奈良公園の売店に運ばれる間に埃をかぶったり汚れが付いたりしている可能性がありますので、人間は食べないほうがいいです。
2008年にフジテレビで放送されたドラマ「鹿男あをによし」の中で主人公役の玉木宏が鹿せんべいをおいしそうに食べるシーンがありますが、あれはフィクションですので真似しないようにしましょう。
とはいえ、鹿が美味しそうに食べているあのせんべい、どんな味がするのか気になりますよね。
鹿せんべいの味は?
米ぬかと小麦粉だけが原料の鹿せんべい、実際に食べた人の感想は「美味しい派」と「まずい派」に綺麗に分かれています。
美味しい派の意見
無味のクッキーに米ぬかが少し混ざったような味。なんて言えばいいのか分からないが、正直に言ってしまうと、これ、おいしい。
(中略)
けど一口目で「あ、おいしい」と思ってしまったことは事実。あと一枚完食してしまったことも事実。
- 工場で焼き立てを食べたが素朴な味でおいしかった
- 香ばしくて甘みを感じる
- 不思議とクセになる
まずい派の意見
- 味がない。まずい。
- 新聞紙を食べている気分
- いいにおいなのにまずい
- 鹿はよくあんなものを食べるな
さて実際の味はどうなのでしょうか。
自分で確かめてみたくなったアナタのために、次の項目では出来立ての鹿せんべいが試食できる鹿せんべい工場をご紹介します。
鹿せんべい工場
奈良のシカ用の鹿せんべいを作っている会社は現在5社あります。
そのうちの1軒、武田商店(武田俊男商店)では1~3月と7~9月、12月に鹿せんべい工場の見学をすることができます。(要予約)
見学の後焼き立ての鹿せんべいを試食できることもあるので、一度行ってみる価値ありです!
奈良市奈良阪町2476-2
0742-22-4853
営業時間:8:00~15:00、日曜定休
鹿せんべいの歴史
鹿せんべいの歴史は古く、1670年代(江戸時代)には既に販売されていました。
現在のような、証紙がで巻かれたオフィシャル鹿せんべいの販売が始まったのは1913年(大正2年)。
奈良の鹿愛護会の前身である神鹿保護会(しんろくほごかい)の活動資金を確保するために売り始められたという経緯があるため、この時以来奈良では証紙の付いていないアンオフィシャルな鹿せんべいの販売は禁止されています。
鹿せんべい飛ばし大会
奈良では年に数回「鹿せんべい飛ばし大会」なるイベントが開かれています。
開催地は奈良公園からほど近い、若草山。
この大会では、通常奈良公園で売られている鹿せんべいより大きい、特製の鹿せんべいを若草山の上から下に向かって投げて、その距離を競います。
通常の鹿せんべいが直径9㎝なのに比べて、競技用の特大鹿せんべいはなんと直径20㎝。
上の写真にあるように、参加者が投げた鹿せんべいを食べようと鹿たちが既に待ち構えています。
このほのぼのしたイベント、優勝賞品はなんと本物の鹿の角を使ったトロフィー。
また、20m以上飛ばした人には鹿ストラップ、30m以上飛ばした人には鹿マスコットのプレゼントもあります。
このちょっとマニアックな鹿イベントは1993年から行われており、ここ数年は年3回、
- 山開き記念大会(1月)
- 春休み大会(3月)
- ゴールデンウィーク大会(5月)
行われています。
その年によって開催日は異なるので、オフィシャルホームページで最新情報を確認してみてください。
なお、参加費は300円です。