奈良公園では、夜は何時まで鹿を見ることができますか?

奈良公園の鹿は、観光客の皆さんから愛されています。最近では、SNSにアップされた鹿の動画を見て「鹿、かわいい!」「鹿に会いたい!」と奈良公園へ足を運ぶ方もたくさんいらっしゃいます。

そんな観光客の方からの質問で多いのが「奈良公園の鹿は何時まで見ることができるのか?」というものです。確かに、奈良への到着が夜になる場合など、何時まで鹿が見られるのか気になりますね。今日はその疑問にお答えしていきます。

奈良公園の鹿とは?

春日大社の灯篭と鹿

奈良公園の鹿は、古来より春日大社の神様のお使いとして大切に扱われてきました。江戸時代には、たとえ誤って鹿を殺したとしても、死罪になっていたぐらいです。

現在、奈良公園とその周辺には約1200頭の鹿が生息しています。これらの鹿は、どこかで飼育されているわけではなく、あくまで野生動物です。つまり、野生の鹿が奈良公園内やその周辺を自由に歩き回っているのです。一頭の行動範囲は、約10~20haだと言われています。

春日大社の境内に鹿苑(ろくえん)という施設があるため、鹿たちはそこで飼われているのではないかと誤解されている方もいらっしゃいますが、鹿苑は、妊娠中の雌鹿や生まれたての赤ちゃん鹿、ケガや病気の鹿を保護するための施設です。それ以外の鹿たちは鹿苑の外を自由に歩き回っています。

奈良のシカは夜はどこにいるのか

ニホンジカ

草を食べたり鹿せんべいをもらったり、自由気ままに暮らしているように見える奈良の鹿たちですが、実は規則正しい生活を送っています。

奈良の鹿たちは、日の出とともに餌場に移動します。餌場とは、観光客から鹿せんべいをたくさんもらえそうなところや、奈良公園の芝が生えているところなどです。日中は、食べたり、休んだりしています。

夕暮れになると、ねぐら、あるいは泊り場と言われるところに移動します。だいたい、20頭前後のグループで移動します。では、その泊り場とはどこでしょう?

関係者でも、正確にその泊り場を把握しているわけではありません。しかし、奈良公園内に20~30カ所ぐらいあるだろうと考えられています。

だいたい、奈良公園内の人けのない静かな茂みが多いようですが、中には公道の歩道上などで休んでいる鹿もいるようです。

奈良公園の鹿は野生ですので、ずっと寝ているわけではなく、3時間ごとに起きては、食べたり、寝たりを繰り返しているようです。

夜、奈良公園の鹿を見ることはできるのか?

結論から言うと、夜でも奈良公園の「休み場」(木陰や草むらの近くなど)に行けば鹿の姿を見ることはできます。

ただ、昼間の鹿と違って夜の鹿はお休みモード。人間だって、夜家でくつろいでいるところに他人が来てジロジロ見られたら嫌な気分になりますよね。鹿も同じです。

また、夜の奈良公園(とくに鹿がいるような草むらなど)は真っ暗です。暗くて危ないですし、虫に刺されるなどのリスクもあります。できれば、夜の鹿には近づかずそっと休ませてあげてくださいね。

どうしても夜に鹿が見たい、という場合は、遠くから眺めるだけにしてあげましょう。

おわりに

「夜行で夜遅く、奈良に到着するが、鹿を見ることができますか」という質問に対する答えは「見ることは出来るかもしれないが、やめておいたほうがいい」です。

奈良公園は動物園と違って「閉門」がありません。つまり、24時間誰でも立ち入ることができます。ただし、真っ暗な中で鹿を探す危険や、鹿の休息を邪魔して驚かせる危険などを考えると夜に鹿を見に行くのはやめておいたほうがいい、という結論になります。

日没時刻が近づくと、鹿たちは休み場に向かって移動を始めます。鹿を見たい場合は日没前までを目安に奈良公園へ行くことをオススメします。