鹿のフンを踏むと足が速くなる?鹿のフングルメってなんだ?
このページを読めば鹿のフンのすべてがわかります!
鹿のフンの形状
鹿のフンは長辺が1.2㎝程度、短辺は8㎜程度の楕円形で、
- ドングリのような形
- 黒豆のような形
- 俵型
- チョコボール型
などをイメージしてもらえると、大きさの目安になります。
鹿はこの小さな丸いフンを一度に人間の握りこぶしぐらいの量出します。
上の写真が、鹿の1回当たりの糞の量です。
人間が便秘をした時によく「鹿のフンのようなうんち」という例えが使われますが、このようなコロコロした小さく丸いうんちが細切れに出る状態をさします。
鹿は1日に3kg程度の草を食べ、1kg程度のフンを出します。
鹿のフンに含まれる栄養素
鹿は草食動物であるため、草や葉っぱなどの植物を食べて生きています。
植物を4つの胃で消化した後に出来るフンは、すべての栄養素を消化しきれておらず、フンの中にはまだ栄養がたくさん残っています。
このため、鹿のフンは栄養価が高く、そこに生えている植物の肥料として効果抜群です。
鹿のフンは犬が食べても大丈夫
犬が鹿のフンを食べてしまって慌てたことがある愛犬家の方もいらっしゃるかもしれません。
鹿のフンは未消化の栄養素がたくさん入っていて栄養価が高いということを犬が本能的に嗅ぎ分けて食べたのかもしれませんね。
鹿のフンは犬が食べても大丈夫なものですので、ご安心ください。
鹿のフンのにおい
鹿のフンはどんな匂いがするのでしょう。
鹿は植物を食べる草食動物ですので、肉食動物のフンと比べるとそれほどうんちのにおいはキツくありません。
出来立てホヤホヤの鹿のフンは少しは臭いますが、少し時間が経って表面が乾いたフンであればほとんど臭いは気になりません。
また、鹿のフンは水分含有量が少ないため、すぐ乾きます。
鹿がフンをする様子
それではここで、実際に鹿がフンをする様子を動画で見てみましょう。
立ったまま、おしりからポロポロポロと大量のフンを出しています。
鹿のフンは水分含有量が少ないため地面に落ちたあと跳ねている様子も確認できます。
鹿とコガネムシの関係
鹿が沢山いることで知られる奈良公園ですが、「鹿のフンが臭い!」とか「鹿のフンにハエが群がって不潔!」などの話は聞いたことがありません。
原因としては、鹿のフンが食物繊維主体で臭いが少ないことや、水分含有量が少ないためすぐ乾燥することなどもありますが、もう一つ奈良の鹿のフンの処理に大きな役割を果たしているものがあります。
それは、コガネムシです。
奈良公園一帯には50種類ものコガネムシが生息しています。
コガネムシは別名「フン虫」とも呼ばれ、動物のフンを食糧として生きています。
このコガネムシたちが、奈良公園の鹿のフンをほとんど食べつくしているのです。
コガネムシたちは、鹿のフンを見つけるとその中に入り込んで食べたり、鹿のフンごと地中に運んで食べたりしています。
奈良公園に生息しているコガネムシの中でもっとも有名なのは「ルリセンチコガネ」という青い体が特徴のコガネムシです。
体長2㎝程度と比較的大きく、肉眼で見つけやすいので、奈良公園に行ったら鹿のフンを運ぶルリセンチコガネを観察してみても面白いでしょう。
鹿糞の堆肥利用
食物繊維と残留栄養素に富むシカのフンは、発酵させて堆肥にすると植物のいい肥料になります。
奈良には病気やケガの鹿を保護する施設「鹿苑」がありますが、ここではコガネムシが処理しきれないほどの大量の鹿のフンが発生します。
そこで、鹿苑を運営する奈良の鹿愛護会では、鹿のフンを堆肥場で発酵させて半年かけて完熟堆肥を作り、「しかっぴ」という商品名で販売しています。
有機物が豊富で土壌を豊かにするこの鹿糞堆肥は奈良の鹿愛護会の事務所で5kg100円、10kg200円という格安価格で購入することができます。
鹿のフングルメ
奈良や広島の宮島など鹿を観光資源としている地域では、鹿をデザインしたお土産はもちろんのこと、鹿のフンをモチーフにした食べ物も沢山売られています。
ここではそんなユニークな「鹿のフングルメ」の一部をご紹介します。
チョコ豆 御神鹿のふん(ごじんかのふん)(奈良)
奈良には鹿のフンを模したチョコ菓子が多数ありますが、その元祖と言っても差し支えない、昔から多くのお土産屋さんで売られているお土産品です。
パッケージに「鹿のふん」と書いてあることを除けば、中身は何の変哲もない、おいしいチョコがけのピーナッツです。
鹿のフンアイス(広島)
広島の宮島では、鹿のフンを模した麦チョコがトッピングされた「鹿のフンアイス」を食べることが出来ます。
ソフトクリームと麦チョコという味的にもピッタリの組み合わせで、宮島を訪れる観光客に人気のアイスです。
季節にもよりますが、宮島の多くのみやげ物店で販売していますので食べてみましょう。
ふんそふと(奈良)
奈良県にも、鹿のフンモチーフのソフトクリームがあります。
「大仏いちご」で販売している「ふんそふと」です。
こちらの「ふんそふと」はソフトクリームと麦チョコに加え、鹿型クッキーがてっぺんに乗っているのが特徴です。
暑い夏に奈良に行ったら是非立ち寄ってみましょう。
鹿マフィン(奈良)
こちらは奈良の焼き菓子専門店「アルカイック」で販売されている可愛らしい鹿マフィン。
よく見ると鹿の足元にはフンが転がっています。
「アルカイック」ではこのほかにもアイシングクッキーなど可愛いお菓子が沢山売られています。
こちらのクッキーの鹿さんも足元にはフンが転がっていますね。
奈良の春日野
鹿のフンをテーマにした曲に「奈良の春日野」があります。
これは吉永小百合が1965年にリリースした曲で、「ふんふんふん 黒豆や」と奈良公園の鹿のフンを黒豆に例えた歌詞の曲です。
最初のリリースは1965年でしたが、発売から22年後の1987年に明石家さんま(奈良県出身)がテレビで取り上げたことにより、全国的にブームとなりました。
鹿のフンを踏んでしまった時の対処法
奈良に観光に行く際、鹿のフンを踏んでしまったらどうしようかと心配される方もいらっしゃいます。
既に述べた通り、基本的には鹿のフンはすぐにコガネムシがお掃除してくれるためあまり落ちていないのですが、コガネムシがいないアスファルトの上などに落ちたフンを踏んでしまうことはあります。
鹿のフンが靴に付いてしまったらどうすればいいのでしょうか。
鹿のフンは水分含有量が少なく、そんなにベッタリとは靴に付きませんので慌てないでください。
なるべく靴とフンを乾かしてからブラシ等でこすると、すぐに落ちますよ。
旅行中で靴ブラシがすぐ手に入らない場合は、コンビニ等で歯ブラシを買って落としましょう。
鹿や馬などの足の速い動物のフンを踏むと足が速くなるという言い伝えもありますので、フンを踏んでしまってもあまり落ち込まずに観光を楽しみましょう!