鹿にドングリをあげたり鹿の生態や歴史を学ぶ事ができる「鹿苑(ろくえん)」という施設をご存知ですか?
奈良の春日大社表参道の脇にあるため多くの観光客が鹿苑のそばを通りますが、鹿苑の中にまで入る方はあまり多くなく、知られざる鹿スポットとなっています。
今回はそんな鹿苑にDEER INFO編集部が行ってきましたのでレポートをお届けします!
鹿苑とは
鹿苑は奈良の鹿愛護会が運営する鹿の保護施設で、毎年春には妊娠した母鹿および新しく産まれた子鹿の保護、秋にはオス鹿の角切りなどを行なっています。
子鹿公開と鹿の角切りは公開行事として行われているので知名度があります。その他にも奈良の鹿愛護会は通年、ケガをした鹿の保護や交通事故に遭って亡くなってしまった鹿の遺体回収など鹿と人間の共存のために力を尽くしています。
そして、ケガや妊娠などをして保護されている鹿が収容されている鹿苑は一年を通して一般客も入場することができるのです。
鹿苑へGO!
今回筆者は春日大社を参拝した後で鹿苑に向かいました。
参拝を終えて春日大社表参道を近鉄奈良駅方面に向かって戻る途中に鹿苑への入口があります。
看板も出ていますが、ウッカリしていると見逃してしまうので注意しましょう。
この看板がある地点を飛火野方面に向かって曲がると鹿苑に行くことができます。
なお、鹿苑は毎週月曜日はお休み(月曜が祝日だった場合は翌日休み)なのでお気を付けください。
鹿苑に到着
さあ、鹿苑に到着しました!入口には係員はおらず、入場料代わりに鹿苑運営の「協力金」として100円を入れる箱があります。この箱に100円を入れて入場しましょう。
入場するとすぐ正面に鹿が収容されているエリアがあり、柵越しに鹿たちが寄ってきます。このエリアに収容されている鹿は、妊娠中のメス鹿たちでした。
筆者が行ったのが初夏(ゴールデンウィーク)だったので妊娠中の鹿が多かったですが、6月の出産シーズンが終わった後はケガをした鹿や、畑を荒らすなどして人間と共生できないと判断された鹿がメインになります。
鹿にドングリをあげられるコーナー
入場してからの動線は左へ進むようになっています。左へ少し行くと、箱に入ったドングリが置いてあります。このドングリは鹿苑にいる鹿たちのエサです。1人1カップ取って良いのでカップにドングリをすくって鹿にあげてみましょう。
鹿にドングリをあげる時は、下の写真にあるような「どんぐりコロコロレーン」を使いましょう。鹿に鋭いキバはありませんが、直接手で鹿の口元にドングリを持って行くと鹿に噛まれる可能性があります。
コロコロレーンにドングリを転がすと、鹿たちが寄ってきてドングリを食べます。バリバリと音を立てて噛み砕いて殻ごと食べてしまいました。もっと寄越せ!とこちらを見ています。
ドングリ1カップをあげ終わって「もっとエサをあげたい!」という場合はガチャガチャで鹿のエサを買うことも出来ます。
ガチャカプセルから出てくるエサはドングリではなく固形のペレット状のフードです。こちらも噛みごたえがあるようで、ボリボリと音を立てて美味しそうに食べていました。
鹿クイズのコーナーで鹿の生態を学ぶ
コロコロレーンでドングリをあげて鹿と触れ合ったら、その奥にある「鹿クイズコーナー」で奈良の鹿の生態を学びましょう。
パネルにクイズが書いてあり、そのパネルを持ち上げると答えが書いてあります。遊び感覚で楽しく鹿の知識を得られますよ。
鹿の歴史展示コーナー
展示通路の一番奥まで行ったら引き返して来ましょう。
引き返す途中、右側の壁には鹿のツノを使った道具の展示や、奈良の鹿の歴史を紹介するパネルなどがあります。じっくり見て鹿に対する理解を深めましょう。
鹿苑の展示は以上で終わりです。出口近くにいる鹿たちに別れを告げて、鹿苑を後にしましょう。
奈良の鹿愛護会にも寄って帰ろう
鹿苑から出て正面にある建物が「奈良の鹿愛護会」です。一見取っ付きにくく、一般人が入っていいのか?と迷う外観をしていますが普通に中に入れます。
中に入ると奈良の鹿愛護会のオリジナルシールやステッカー、ポストカードなどのグッズを買うことができます。
売上の一部は鹿の保護に使われますので、鹿苑訪問の記念に是非買って帰りましょう。
おわりに
春日大社と飛火野の間にひっそりと存在している「鹿苑」、地味な施設なので奈良観光コースに組み込む人も少なくゴールデンウィークでも空いていてゆっくり鹿と触れ合うことができました。
鹿好きなら是非奈良観光コースに組み込んでみてください。