万葉集に鹿を詠んだ歌が68首もあるなど、古来より日本人の身近にあった鹿の鳴き声。
鹿(ニホンジカ)の鳴き声とはどんなものなのかをこのページでは解説します。
Contents
鹿の鳴き声まとめ画像
下の画像は鹿の鳴き声をオス・メス別にまとめたものです。
一つ一つの鳴き声について以下に解説していきます。
危険を察知した時の警戒音
鹿の鳴き声の中でも最も特徴的で代表的な鳴き声が、危険を察知した時に出す甲高く短い笛のような「ピャッ」という鳴き声です。
上の動画では、カメラを構えている人間を警戒して「ピャッ!」「ピャッ!」という短い警戒音を何度も発して、仲間に知らせようとしています。
ピャッ以外にカタカナにするなら
- キャン
- ピエーッ
- ワンッ
- キャイン
- ケン
- キャン
- ピャオ
などのように聞こえます。
オス同士が縄張り争いのために出す声
9月~11月の繁殖期に山奥などでよく聞かれる鹿の鳴き声です。
オス鹿は発情期以外はほとんど鳴きませんが、この時期だけはよく鳴きます。
「女性の叫び声のようだ」とよく言われる鳴き声を実際に動画で見てみましょう。
カタカナにするなら
- キャーッ
- キーッ
- キャーン
でしょうか。
確かに夜の山奥で聞いたらまるでホラー映画のようで怖い音です。
俳句や短歌における鹿の鳴き声
日本で古来から短歌や俳句に詠まれてきた「鹿の鳴き声」は秋にオス鹿がメスを呼ぶ声です。
有名なところでは、百人一首に秋の鹿の鳴き声に関する句があります。
奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の
声きく時ぞ 秋は悲しき-猿丸太夫
山奥で鳴いている鹿の声を聴いて、秋の物悲しさを感じている句です。
また、俳句においては、鹿の鳴き声は秋の季語です。
びいと啼く尻声悲し夜の鹿
-松尾芭蕉
こちらもやはり夜の鹿の鳴き声を聞いて物悲しさを感じている句になります。
繁殖期のオスがメスを呼ぶ声
上の動画では発情期のオスがメスを求めて「イアァオオォォォー!」という激しい鳴き声を発しています。
カタカナにするなら
- ウマァーオ
- イヤァオオオオオオオ
- ギィアアオォォォー
という感じです。
母子のコミュニケーションのために出す声
発情期のオス鹿の鳴き声と比べると、メス鹿や小鹿の鳴き声はだいぶマイルドです。
上の動画では、人間を警戒しつつ母鹿を探している感じの鳴き声を聞くことができます。
カタカナにすると
- ギィー
- チィー
- メェー
といった感じで、「たてつけの悪いドアの開閉音」に例えられることもあります。
またこのようなギィーという声は、人間に対して鹿せんべいをよこせ、と言いたいときにも使われることがあります。
まとめ
このように季節によって、また性別によってさまざまなバリエーションがある鹿の鳴き声。
今度耳にする機会があったら是非どういう意味で鳴いているのかを推理してみてください。
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