このページでは、鹿の捕獲・駆除について解説します。
鹿による深刻な農業・林業への被害
一見可愛らしい見た目の鹿ですが、実は日本一の害獣です。
天敵だったオオカミが絶滅したことにより日本で増え放題となり、農作物への被害総額は年間60億円にも上ります。
鹿の捕獲
狩猟による駆除
鹿を含む野生鳥獣は、定められた狩猟期間内であれば、鳥獣保護法に基づく狩猟免許を持ったハンター(猟師)が捕獲することが出来ます。
捕獲方法は、銃猟、わな猟、網猟の3種類があります。
狩猟期間は各都道府県や対象鳥獣によって異なりますが、原則として4月~9月の半年は生態系保護のための保護期間、10月~3月の半年は駆除のための狩猟期間と決まっています。
また、その年の状況によっては特定の鳥獣の狩猟期間が延長・短縮されたり、捕獲方法が制限されることもあります。
有害鳥獣捕獲
前項で述べた通常の「狩猟」とは別に、有害鳥獣捕獲もあります。
有害鳥獣捕獲とは、農業や林業への被害、または生態系への重大な影響を及ぼす鳥獣を捕獲することです。
鹿が畑を荒らした際などは、農家が市町村に相談した上で地元の猟友会がこの有害鳥獣捕獲を行うことがあります。
有害鳥獣捕獲では、多くの場合鹿を捕獲したハンターには報償金が支払われます。
例として、鹿児島県霧島市の場合、シカ一頭当たり1万2千円の報奨金が支払われます。
個体数調整のための許可捕獲
個体数調整は一般の「狩猟」とは別に、増えすぎた鳥獣を減らす目的で行われることがあり、狩猟免許を持つ者が都道府県知事の許可を得て行います。
上記の有害鳥獣捕獲の場合と異なる点は、農家など被害を受けた人からの依頼が無くても都道府県知事の許可があれば捕獲できるという点です。
鹿の駆除数の増加
鹿の急増に伴い、鹿の駆除数も急増しています。
1990年の鹿の捕獲頭数が42,000頭だったのに対し、2010年には415,500頭となり、実に10倍以上の捕獲頭数になっています。
2011年現在の全国の鹿の頭数が約325万頭という調査結果がありますので、捕獲しても捕獲しても間に合わない、というのが実態です。
駆除された鹿の活用法
捕獲された鹿は、生態調査などのために解剖されることもありますが、ほとんどは食用として利用されます。
昨今のジビエブームなどもあり、猟師から直接レストランなどの飲食店に鹿肉が卸されることもあります。
また、鹿肉は低カロリー高タンパク質なため、愛犬の健康を考えて鹿肉ドッグフードを与える飼い主も増えています。
また、肉以外の革や角なども、革製品の材料になったり鹿の角細工の原料やインテリアとして活用されます。