名前に「シカ」と入っているため鹿の仲間と勘違いされやすいカモシカ。
実際は鹿とは全く違う動物です。詳しく違いを見ていきましょう。
Contents
鹿とカモシカの分類上の違い
鹿は鯨偶蹄目シカ科に属する動物ですが、カモシカは鯨偶蹄目ウシ科に属する動物で、生物学上の分類は大きく異なります。
カモシカは鹿の仲間ではなく牛の仲間なのです。
鹿はハンターが狩猟してもよい動物ですが、カモシカは環境省のレッドリストに入っている絶滅の恐れのある個体群であるため、基本的に狩猟することはできません。
鹿とカモシカの見た目の違い
世界には13種類ほどのカモシカがいますが、日本で見られるのは日本固有種のニホンカモシカだけです。
ニホンカモシカとニホンジカの見た目の違いについて見ていきましょう。
色の違い
シカとカモシカの違いで一番見た目で分かりやすいのは、体毛の色の違いです。
鹿は夏毛が明るい茶色、冬毛がこげ茶色であるのに対し、カモシカは基本的に灰色~白、灰色~黒色をしています。
体の大きさの違い
シカもカモシカも性別により体格が異なるため、ここではオスの大きさで比較していきます。
ニホンジカのオスはホンシュウジカの場合体長180㎝前後になります。
それに対してニホンカモシカの体長はオスで110㎝程度と、ニホンジカと比べてだいぶ小さくなります。
角の違い
シカとカモシカの大きな違いとしてツノの違いがあります。
鹿はオスのみにツノが生え、ツノは毎年生え変わります。
それに対してカモシカは、オスもメスもツノが生えます。また、ツノは鹿と違って枝分かれすることはありません。
鹿とカモシカ、見た目以外の違い
生息地の違い
鹿もカモシカも日本全国に生息していますが、鹿が草原などの開けた場所を好むのに対しカモシカは鹿よりも山奥、険しい崖地などに住んでいます。
また鹿は積雪は苦手ですが、カモシカは積雪は苦になりません。
繁殖の違い
鹿は一夫多妻制で、1匹のオスがハーレムを作って多数のメスを囲い込みますが、カモシカは一夫一婦制。つがいで繁殖します。
「カモシカ」の語源
「カモシカ」の「シカ」の部分は「鹿」が語源となっていますが、「カモ」の部分の語源については諸説あります。
・カモシカの肉が鴨のように美味しいから
・カモシカを上から見ると走る姿が鳥のように見えるから
などの説が有力です。
ニホンカモシカを見に行こう!
先述の通りカモシカは鹿よりもさらに山奥の山岳地帯に住んでいるため、日常生活で目にすることはほぼありません。
しかし、カモシカを飼育している動物園は意外と多いです。
例えば首都圏では
- 井の頭自然文化園
- 多摩動物公園
- 埼玉県こども動物自然公園
などで見ることが出来ます。
お近くの動物園でももしかしたらカモシカが見られるかもしれませんよ。
関連記事