房総半島や伊豆諸島で爆発的に繁殖して社会問題になっているキョン。
テレビなどで見て「鹿に似ている!」と思った方もいるのではないでしょうか。
このページでは鹿とキョンの違いについて解説します。
Contents
キョンとは
キョンは、中国東部や台湾が原産の小型のシカです。
鹿の中でもホエジカ属という分類で、その名の通り犬が吠えるような大きな声で鳴くことが特徴です。
日本には元々生息していなかった外来種のシカですが、動物園で飼われていたキョンが逃げ出して野生化し、現在千葉県と伊豆大島で繁殖しています。
外来種キョンの繁殖問題
キョンは繁殖力が強く、また日本には天敵もいないため一旦野生化すると増え続け、農地や林野を荒らすなどの被害に繋がります。
現在キョンが野生化して繁殖している地域は千葉県と伊豆大島です。
千葉県における繁殖問題
千葉県では勝浦市の行川アイランド(閉園済み)から1980年代に逃げ出したキョンが野生化し、房総半島ほぼ全域に増殖し現在では約5万頭となっています。
キョンによる農業被害が相次いでいるため、千葉県は2000年から害獣としてキョンの駆除に乗り出していますがキョンの繁殖力のほうが強くて駆除が追い付かず、有効な対策とはなっていません。
伊豆大島における繁殖問題
伊豆大島では都立大島公園内の動物園で飼育されていたキョンが1970年代に逃げ出し、伊豆大島全域で野生化しました。
現在の伊豆大島のキョンの頭数は住民の数(8,300人)より多い13,000頭。
伊豆大島の特産品であるアシタバへの農業被害や、絶滅危惧種の植物「キンラン」への食害が深刻であるため、都は2017年、キョン捕獲チーム「キョンとるず」を結成、本格的に捕獲に乗り出しました。
キョンと鹿(ニホンジカ)の違い
体格の違い
ニホンジカが体長90~190㎝であるのに対し、キョンは体長70~100cmと小柄です。
また、ニホンジカと比べると身体の割に足が短いです。
角の違い
ニホンジカのオスに生える角は大きいもので約70㎝にもなりますが、キョンのツノは長くて15㎝程度。
ニホンジカのように分岐もせず、まっすぐに1本生えるだけです。
キバの違い
ニホンジカにはキバはありませんが、キョンには牙が生えています。
キョンはオス・メス共に牙が生えますが、オスのキバのほうが大きく、メスの物は小さいです。
まとめ
キョンはニホンジカと同じシカ科の仲間ですが、その特徴には大きな違いがあることがわかりました。
体の大きさや角の長さ、キバの有無などで見分けて下さい。
関連記事