このページでは鹿の繁殖について解説します。
鹿の繁殖率の高さの理由
鹿は繁殖力が非常に高い動物です。
なぜ鹿の繁殖力が強いかを以下に説明します。
鹿は初産の年齢が低い
産まれたばかりの0歳の鹿には妊娠能力はありませんが、1歳のメス鹿には排卵があり、妊娠能力があります。
2歳になった鹿はさらに妊娠能力が高まり、出産率も高くなります。
鹿はほぼ毎年出産する
他の動物と異なり、鹿はほぼ毎年出産します。
このため、鹿は繁殖力が高いのです。
鹿の繁殖期
鹿の繁殖期は9月末~11月初頭です。
繁殖期の鹿は、オス同士で権力争いを繰り広げ、オスの群れの中で順位が決定します。
順位が上のオスが自分の縄張りにより多くのメスを囲い込み、交尾を行います。
順位が低いオスは1年に一度も交尾できないこともあります。
鹿の交尾
鹿のメスはオスと違い毎月発情期があり、周期は18~22日周期です。
繁殖期(9月~11月)にメスを囲い込んだオス鹿は、メスの発情期が訪れたことを察知するとメスの尻の匂いをかぐなどの行動を見せ、交尾に至ります。
鹿は人間と異なり、見晴らしの良い場所を選んで交尾を行います。
これは外敵に襲われる兆候をいち早く掴んで逃げられるようにするためで、草食動物独特の習性です。
鹿の交尾については以下の動画もご参照ください。
鹿の出産
鹿の出産期は5月中旬~7月中旬です。
妊娠期間は約230日、初産の年齢は1歳~2歳です。
妊娠中の鹿は出産が近くなるとお腹が大きくなり、乳房も大きくなります。
産気づいた鹿は群れから離れ、見通しの悪い藪の中などへ行き出産します。
産み落とされたばかりの鹿は黒っぽいですが、母鹿が舐め続けることで次第にフワフワの体毛になり、斑点模様がハッキリと見えてきます。
生まれて数十分~1時間程度で鹿の赤ちゃんは立ち上がって母鹿の母乳を飲み、生後3か月ぐらいまでは母鹿のお乳で育ちます。
鹿の出産については下記の動画をご参照ください。
(途中、出産に伴う出血シーンがありますのでご注意ください)
日本における鹿の増加
近年日本においては鹿の数が急増しています。
これは先に述べたような鹿の繁殖力の強さもありますが、地球温暖化により大雪が降らなくなり冬が越しやすくなったことも影響しています。
また、鹿の天敵であるオオカミが1905年頃絶滅し、天敵のいない状態が長く続いていることも鹿の急増に拍車をかけています。