鹿と衝突する交通事故は、エゾシカが多い北海道では年間2000件以上、奈良県では年間150件以上も起こっています。
鹿の成体は100kg前後ある個体も多く、自動車と衝突するとフロントの部品がほぼ全交換になり多額の修理費用がかかることも珍しくありません。
鹿にとっても人間にとっても避けたい衝突事故、未然に防ぐドライビングテクニックをお教えします。
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鹿と自動車の衝突事故のほとんどは夜起こる
鹿と自動車の交通事故のほとんどは夜の山道で起こっています。
これは、昼間は視界が明るくてドライバーが鹿を避けやすいということもありますが、鹿が夜行性になってきているという要因もあります。
鹿は本来薄明薄暮性(日の出前と日没直後に活動的になる)の動物ですが、ハンターなどの人間が来ない夜中をメインに活動するうちに夜行性寄りになっている鹿が多いです。
このため、夜間に草を食べたり道を渡ろうとして車に轢かれる鹿が後を絶ちません。
ヘッドライトの光を見ると鹿の動きが止まる
ヘッドライトの光を見ると硬直してしまって動けなくなる鹿が多いです。
英語には「like a deer caught in the headlights」という慣用句もあるぐらいです。
これは、ヘッドライトに照らされた鹿が硬直して身動きできなくなっている様子から、人間がおびえ切っている様子の例えとして使われます。
ヘッドライトで照らされて道路上で鹿が固まってしまっていたら、人間の側が減速するしかありません。
その場の道路状況などを判断しつつ、徐行で通り過ぎるなどの対処をしてください。
鹿が相手の事故は法律上「器物損壊(物損事故)」になる
鹿を轢いても、器物損壊(物損事故)の扱いとなるため免許証の違反点数や反則金は発生しません。
ただし、轢かれた動物をそのまま道路上に放置しておくことは危険であるため、すぐに警察や道路管理者に連絡して処置をお願いしましょう。
鹿を轢かないための運転方法
ここからは具体的に鹿を轢かないためにどこに気を付けて運転すればいいのかを解説していきます。
①鹿の飛び出し注意の道路標識がある場所ではスピードを出さずに減速する
鹿飛び出し注意の道路標識が設置されている場所は、過去に鹿と車の接触事故が発生した場所である確率が高いです。
鹿が道路を横断する確率が高いので、事故を起こさないように減速して通過しましょう。
②夜間何か光るものが視界に入ったらすぐブレーキを踏む
鹿の目はヘッドライトの光を反射してよく光ります。
運転中に何か光るものが目に入ったら「シカかもしれない」と思ってブレーキを踏みましょう。
③鹿にクラクションを鳴らすのは逆効果
運転中に道路に鹿が見えた際、ついクラクションを鳴らしたくなるでしょう。
しかし鹿はクラクションの音では逃げないのでこちらが減速するしかありません。
逆にクラクションの音に驚いた鹿が道路上に立ち尽くしてしまい自動車と衝突してしまうこともあるので、出来ればクラクションは鳴らさないほうがいいでしょう。
④鹿は群れで行動する生き物。1頭いたら4~5頭はいる
鹿を1頭よけて安心していたら草むらの中から次の鹿が出て来た!ということもよくあります。
1頭いたらその近くに群れがあることを想定して、その後しばらくは徐行運転でお願いします。
おわりに
天敵だったオオカミが絶滅して以降、日本における鹿の頭数は増え続けています。
山道を走る時はいつ鹿が脇から飛び出して来るかわかりません。
常に鹿との事故の可能性を忘れずに運転しましょう。
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