鹿の知能ってどれぐらい?犬や猫よりも賢いの?

鹿の知能は高いのか低いのか考えてみたことはありますか?鹿は犬や猫と比べると頭蓋骨は大きいですが、頭がい骨が小さなカラスが高い知能を持つなど、動物の知能は脳や頭蓋骨の大きさとは比例しません。

鹿の知能はどれぐらい?高い?低い?

動物の知能の高さは何で測れる?

一般的に動物の知能の高さを測るときに目安になる点としては

・言語等を用いてコミュニケーションを行うか
・感情を持つか
・道具を使うか
・集団社会生活を営むか
・自分の本能を抑えて論理的に問題解決できるか
・鏡像認知(鏡に映った自分の姿を自分と認識する)できるか

などの項目が挙げられます。

今回はこれらの指標を元に、鹿の知能がどの程度なのかを見ていきましょう。

鹿のコミュニケーション能力

鹿同士のコミュニケーション

まず鹿が言語等を用いてコミュニケーションを行うかどうかです。鹿は言葉は喋らないものの特定のパターンの鳴き声を用いて鹿同士でコミュニケーションをとることが出来ます

具体的な鳴き声の種類については、以下の記事を参考にしてください。
 


 
上の記事内にあるように、鹿同士で呼び合ったり、危険が迫っていることを知らせたり、自分の縄張りを他の鹿に知らせたりすることが出来ます。

鳴き声でコミュニケーションを取るという点においては、犬や猫と同等程度の知能なのではないかと推測することが出来ます。

 


 

鹿は感情を持つのか

次に鹿が感情を持つのかという点についてですが、例えば奈良公園の鹿は人間が鹿せんべいをなかなか与えずに焦らすと怒りをあらわにして人間に突進してきたり前足で蹴ったりします
 


 
また、同じく奈良公園に昔住んでいた「鹿の白ちゃん」我が子を交通事故で失った悲しみから奈良公園の近くを通る車を威嚇し続けるなどの行動をとりました。このことから鹿は「悲しみ」「怒り」の感情は持っているのではないかと推測されます。
 

 
ただし、これらは動物の「本能」の域を出ないのではないか、という見方もできますので、鹿に感情があるかないかについては意見が分かれるところです。

 


 

鹿は集団社会生活を営むか?

鹿の群れ

鹿は習性としてオスとメス別々の群れを作って生活しています。
 


 
しかし、この群れが「集団」と言えるかどうかは疑問です。一般的に社会集団とは集団の構成員が「自分はその集団を構成している!」と認識していることが前提条件となります。鹿が作っている群れは本能的なものであり、「集団を作ろう」とか「自分はこの集団の一員だ!」という意識は無いものと推測されます。

この点から見ると、犬や猫と比べると鹿の知能は少し劣るのかな?という感じがします。なぜなら、ペットの犬は自分が家族の一員だと認識しているように見えますし、家族の中での自分の序列についても考えて行動しているように思えるからです。

鹿に備わっていないと思われる項目

・道具を使うか
・自分の本能を抑えて論理的に問題解決できるか
・鏡像認知(鏡に映った自分の姿を自分と認識する)できるか

これらの項目については、鹿には備わっていない知能だと考えられます。道具を使うチンパンジー鏡像認知が出来るイルカなどと比べると、鹿の知能は低いという事になりそうです。

 


 

鹿の学習能力

鹿の学習能力

知能とも深くかかわってくる「学習能力」についても見ていきましょう。

古くはししおどし、最近では電気柵など、鹿から農作物を守るために人間は様々な装置を生み出してきました。

ししおどしなどは最初の1回は鹿が驚いて逃げるのですが、2回、3回とししおどしの音を聞くたびに鹿は「これは大きな音が出るだけで別に近寄っても大丈夫そうだな」と学習してしまって効果がなくなってしまいます。

また、電気柵については触れるとビリッと電流が流れて痛いという事を1回で学習するようで、2回目は来ない鹿が多いです。

鹿が嫌いな植物についても面白いエピソードがあります。ある人の庭に親子の鹿が訪れて、庭に生えている植物を色々食べていたそうです。鹿を観察していると、毒があるかどうか分からない植物を母鹿が毒見して、毒があることが分かると小鹿に「これは食べちゃダメ!」と言うかのように小鹿をその植物から遠ざけたのです。その後もその人の庭には同じ鹿の親子がたびたび訪れましたが、毒があると分かった植物だけは食べ荒らさず、きれいに残していったそうです。

これらの事例から分かるように、鹿は学習能力が高いです。少なくとも犬や猫と同等の学習能力があると言えるでしょう。

おわりに

春日大社で神の使いとされるなど、賢い動物という印象が強い鹿ですが、知能としては犬や猫などのペットと同程度なのではないかと推測されます。

奈良公園などで野生のシカと触れ合える機会があったら、鹿がどれぐらい賢いのかを観察してみてください。

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